117D34
58歳の男性。失神と頭部打撲を主訴に救急車で搬入された。友人宅で意識を消失して頭部を打撲したため、友人が救急車を要請した。付き添いの友人によると、この患者は独居で、5年前に脳卒中で入院治療を受けたことがあるが、詳細は分からないという。意識レベルはJCS I-2。心拍数86/分、整。血圧140/90mmHg。呼吸数18/分。SpO2 98%(room air)。後頭部に擦過傷を認める。搬入直後までの記憶がない。心電図に異常を認めない。頭部エックス線写真正面像(A)、側面像(B)及び頭部単純CT(C)を下に示す。
この患者の5年前の既往として考えられるのはどれか。
(a) ステント留置術
(b) 脳室・腹腔短絡術
(c) 穿頭血腫ドレナージ術
(d) 脳動脈瘤頸部クリッピング術
(e) 脳動脈瘤に対するコイル塞栓術
正解:e
難易度:低
✕(a)管状にうつるステントは認められない.
✕(b)留置されているはずのドレナージチューブが認められない.
✕(c)チューブの留置は認められない.
✕(d)クリップは認められない.
◯(e)頭部の単純X線および単純CTではともに高吸収を示すコイルを認める.