117F55
32歳の1回経産婦(2妊1産)。妊娠39週6日、規則的な子宮収縮を主訴に来院した。これまでの妊娠経過に異常を認めない。午前1時、10分ごとの規則的な子宮収縮を自覚し、次第に増強したため午前4時に入院した。内診で子宮口は4cm開大、展退度は60%、硬度は中、児頭下降度はSP-2cmであった。午前8時に破水を認めた。その時点の内診で子宮口は6cm開大、下降度はSP-1cmであった。その後、陣痛周期は3分となった。午後1時の内診で子宮口は全開大、児頭下降度はSP+2cm、先進する小泉門を1時方向に触知し、矢状縫合はほぼ母体の骨盤縦径に一致していた。この時点の陣痛周期は3分で、持続時間は1分であった。
この産婦の分娩経過で正しいのはどれか。
(a) 遷延分娩
(b) 早期破水
(c) 微弱陣痛
(d) 分娩停止
(e) 後方後頭位
正解:b
難易度:低
✕(a)分娩開始後,初産婦では30時間,経産婦では15時間経過しても児が娩出されないものをいう.
◯(b)破水が陣痛発来後,子宮口全開大前にされており,早期破水の診断である.
✕(c)胎児心拍数陣痛図において,分娩開始時または順調であった分娩の途中から,子宮内圧低下,陣痛周期延長
,持続時間短縮のうち1つ以上認められた場合に診断される.
✕(d)第2回旋の異常により高在縦定位や低在横定位では骨盤入口に児頭が引っかかり,分娩停止となる.
✕(e)後方とは第2回旋時に児頭先進部が母体後方を向いた状態である.