117A13
ビタミン欠乏とその症状の組合せで正しいのはどれか。
(a) 葉酸:小球性貧血
(b) ニコチン酸:心不全
(c) ビタミンA:夜盲
(d) ビタミンB1:腱反射亢進
(e) ビタミンB12:皮膚炎
正解:c
難易度:低
✕(a)葉酸は主に核酸の合成に関わり,欠乏すると巨赤芽球性貧血や,新生児では神経管閉鎖障害が起こりうる.
✕(b)ニコチン酸やニコチン酸アミドを総称してナイアシンというが,酸化還元反応の補酵素として主にカツオやビンナガマグロに含まれる.欠乏すると3D症状(皮膚炎(Dermatitis),下痢(Diarrhea),認知症(Dementia))が起こる.
◯(c)ビタミンAは動物食品から接種され,小腸上皮でレチノールに変換され,体内に貯蔵される.レチノールはレチナールという光吸収分子に変換され,網膜光受容器細胞にあるオプシン(Gタンパク結合受容体ファミリータンパク質)に結合し,ロドプシン(桿体細胞での暗視を担う)やフォトプシン(錐体細胞での色覚を担う)という光感受性物質を形成する.桿体細胞でレチナールが欠乏すると,光感受性が低下するため,夜盲症になる.
✕(d)ビタミンB1は欠乏すると脚気が起こり,腱反射は減弱する.
✕(e)ビタミンB12は欠乏すると巨赤芽球性貧血や亜急性脊髄連合変性症を起こすが,皮膚炎は起こさない.