117E50

47歳の男性。頭痛と発熱を主訴に来院した。
現病歴:3日前から微熱と全身倦怠感を自覚した。昨日から頭痛を自覚し、体温が38℃以上となったため、市販の解熱鎮痛薬を服用していた。今朝、起床時から、頭痛が増強するとともに、悪心が出現し、嘔吐した。38℃以上の発熱も持続するため、独歩で受診した。
既往歴:24歳時に急性虫垂炎で手術。
生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴:父が高血圧症。
現 症:意識は清明。身長172cm、体重70kg。体温39.2℃。脈拍96/分、整。血圧124/70mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内と咽頭とに異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に浮腫を認めない。
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尿検査、血液検査および血液培養を行った。検査結果を示す。
尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球462万、Hb 14.2g/dL、Ht 42%、白血球11,300(好中球68%、好酸球1%、好塩基球0%、単球4%、リンパ球27%)、血小板28万。血液生化学所見:総蛋白7.3g/dL、アルブミン4.9g/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、直接ビリルビン0.2mg/dL、AST 24U/L、ALT 18U/L、LD 188U/L(基準120~245)、ALP 110U/L(基準38~113)、γ-GT 41U/L(基準8~50)、アミラーゼ130U/L(基準37~160)、CK 68U/L(基準30~140)、尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、血糖98mg/dL、Na 138mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 97mEq/L。CRP 2.3mg/dL。緊急で施行した頭部単純CTで明らかな異常を認めなかった。
次に行うべき検査はどれか。

(a) 脳波検査

(b) 心エコー検査

(c) 脳脊髄液検査

(d) 針筋電図検査

(e) 上部消化管内視鏡検査

正解:c

難易度:低

・3日前から発熱,頭痛があり,嘔吐も認めることから髄膜炎が疑われる.

✕(a)意識障害やけいれんの検査である.

✕(b)髄膜炎と心疾患に直接的な関連は薄い.

◯(c)髄液内の細胞数や細胞分画,蛋白や糖を測定する.

✕(d)筋力低下の記載はない.

✕(e)悪性腫瘍についての記載はない.

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