117D60
58歳の女性(2妊1産)。不正出血を主訴に来院した。30歳の2回目妊娠時に、①胞状奇胎の診断で子宮内容除去術を受けた。42歳時に子宮頸部細胞診異常と②ヒトパピローマウイルス〈HPV〉検査陽性を指摘されたが、その後の通院を自己中断した。45歳時に子宮頸癌IIB期(扁平上皮癌)と診断され、③薬物による抗癌治療と④根治的放射線治療を受けている。治療後、48歳時から骨粗鬆症の診断で⑤ビスホスホネート製剤が投与されている。来院時の子宮内膜組織検査で癌肉腫と診断された。その後行った骨盤部単純MRIで子宮体部腫瘤が認められ、FDG-PETでは同部位にのみ異常集積を認めた。
下線部のうち、今回の子宮体部癌肉腫の発生と最も関連が深いのはどれか。
a ①
b ②
c ③
d ④
e ⑤
正解:d
難易度:高
✕(a)絨毛癌との関連がある.
✕(b)子宮頸癌との関連がある.
✕(c)薬物によってDNA障害が蓄積されることで2次発癌を引き起こす可能性はあるものの,(d)の放射線によるもののほうが可能性は高い.
◯(d)放射線によってDNA障害が蓄積されることで2次発癌を引き起こす可能性はある.
✕(e)副作用として類骨壊死はあるが,子宮体部癌肉腫との関連はない.