117C59

32歳の経産婦（2妊1産）。妊娠34週1日。突然の性器出血を主訴に来院した。第1子を妊娠38週で経腟分娩している。体温36.5℃。脈拍84/分、整。血圧108/64mmHg。腟鏡診で腟内に凝血塊の貯留を認め、子宮口から血液流出が持続している。計測できた出血量は約250mLである。腹部超音波検査で胎児推定体重2,230g、羊水量は正常。胎児心拍数陣痛図で10分ごとの子宮収縮を認め、胎児心拍数波形に異常を認めない。経腟超音波像を下に示す。

適切な説明はどれか。

(a) 「緊急帝王切開が必要です」

(b) 「子宮頸管を縫縮します」

(c) 「子宮収縮薬を点滴します」

(d) 「自己血貯血を行います」

(e) 「副腎皮質ステロイドを筋肉注射します」

正解：a

難易度：低

・膣鏡診で膣内に凝血塊の貯留が認められ，前置胎盤の警告出血と考えられる無痛性出血を主訴としていることから，前置胎盤と考えられる．

◯(a)警告出血を認めており，緊急で行う．

✕(b)頚管無力症に行う．

✕(c)子宮収縮抑制薬であれば，高次医療施設へ搬送する際に行う．

✕(d)予定帝王切開であれば行う．

✕(e)妊娠24週から34週未満で早産が予想される場合であれば行う．