117B9
妊娠高血圧症候群の重症化の指標となるのはどれか。
(a) 血小板の減少
(b) 呼吸数の減少
(c) 下腿浮腫の悪化
(d) 子宮収縮の増強
(e) 尿蛋白/クレアチニン比の低下
正解:a
難易度:高
◯(a)重症妊娠高血圧症候群(重症HDP)定義は,重症高血圧,PE・SPEにおける母体の臓器障害,PE.SPEにおける子宮胎盤機能不全のいずれかを満たすことである.HDPの基本病態は血管内皮細胞の障害であり,それにより血小板が消費性に減少するが,その血小板減少は母体の臓器障害の一つに含まれる.
✕(b)重症化により肺水腫が出現すると低酸素状態になり,呼吸数は増加する.
✕(c)腎症を合併すると膠質浸透圧低下により下腿浮腫は悪化するが,重症化指標としては不適切.
✕(d)子宮収縮の回数が増加することはあるものの,その増強が重症化指標としては不適切.
✕(e)重症例では尿蛋白の増加により,尿蛋白/クレアチニン比は増加する.