117A1
母体背景と胎児疾患の組み合わせで正しいのはどれか.3つ選べ.
a 高齢出産:13トリソミー
b 風疹感染:先天性心疾患
c 妊娠高血圧症候群:不整脈
d 全身性エリテマトーデス:頭蓋内出血
e パルボウイルスB19感染:貧血
正解:a,b,e
難易度:低
◯(a)高齢になると染色体異常をきたす確率は上がる.
◯(b)先天性風疹症候群(CRS)の3大症状は白内障,難聴,心奇形(動脈管開存症など)である.ただし,発疹は極めて稀とされている.
✕(c)妊娠高血圧症候群(HDP)とは正常では非妊娠時に比べ低下するはずの血圧が上昇する疾患概念で,重篤な合併症の中には心臓に負荷を与え,周産期心筋症をきたすことがある.しかし不整脈との関連は薄いとされる.
✕(d)全身性エリテマトーデス(SLE)合併妊婦が出産した新生児ではSLE類似症状を認めることがあり,これを新生児ループスという.症状としては完全房室ブロック,汎血球減少,皮疹(紅斑)を認めるが,頭蓋内出血との関連は薄い.
◯(e)パルボウイルスB19が胎児の赤芽球に感染し,増殖すると赤芽球は破壊され,赤芽球癆をきたす.それにより造血機能が激しく障害され,胎児は極度の貧血状態になる.その結果心不全をきたし,非免疫性胎児水腫となる.胎児貧血の重症度は超音波ドプラ法を使って胎児の中大脳動脈(MCA)血流速度を計測することで評価する.