117E30
34歳の初産婦(3妊0産)。妊娠13週、妊婦健康診査のために来院した。前回妊娠は妊娠15週に、前々回の妊娠は妊娠16週に、いずれも胎胞が膨隆し自然流産している。これまでの精査で抗リン脂質抗体症候群や糖代謝異常は認めない。
適切な対応はどれか。
(a) 頸管縫縮術
(b) NSAID投与
(c) β2刺激薬投与
(d) マグネシウム製剤投与
(e) 副腎皮質ステロイド投与
正解:a
難易度:低
・原因不明の後期流産を反復する女性が過去2会いずれも胎胞が膨隆して自然流産していたことから,頚管無力症が鑑別に上がる.
◯(a)頚管無力症の治療の基本は頸管縫縮術か安静療法である.頸管縫縮術にはShirodkar法とMcDonald法の2種類がある.妊娠12週以降の後期流産または32週未満の早産既往が3回以上ある女性への頸管縫縮術の有益性は強く認められている.
✕(b)流産予防効果はない.
✕(c)流産予防効果はない.
✕(d)流産予防効果はない.
✕(e)妊娠34週未満の切迫早産で産まれた胎児の肺成熟を促進させるときに使用する.